僕がよく行く、図書館の近くの某駅のロータリーで、若い彼女が「よろしくおねがいします」と元気にビラを配っている。まだ、そのビラはもらったことがないが、たぶん美容のチラシだろう。また、彼女は、見習い期間の子だと思う。
夕暮れ、いや、もしくは日が暮れてから彼女たった一人、たくさんの雑踏の人ごみの中で、必死になってさけんでいる。
ティッシュペーパーならかなりの数でもらってくれるとは思うが、ただのチラシなんてもらう人は数知れているだろう。
でも、彼女は必死こいてチラシを配っている。
何でもない風景だけど、『人間の生の魂』を一瞬だけ垣間見た気がした。