住まい
僕の実家。築33年は経っているだろう。今の実家は、僕が3歳のときに引っ越してきた。外壁は一度張り替えているので見栄えはよくなっているが、中身は昭和を思い出させるようなつくりである。窓ガラス一つとってみても、今では見かけないような、星の切れ込みがある、ガラス。雨戸は、木戸である。
僕が中一のときに外装を中心に張替えをした。「もっと、いい家住みたいなぁ・・・。もっと、広い家住みたいなぁ・・・」なんて母に愚痴をこぼしたこともあった。だけど・・・
「人が住むところには文化がある。」
僕の中では愚痴をこぼしたとしても、「今は」いい家に住みたくない。
沢山の思い出があるから。取り壊して欲しくない。
両親に怒られて泣いたこと。弟が生まれたところ。おじいちゃん、おばあちゃんが遊びに来てくれたところ。友達が集ったところ。僕にとって、15年間の住まいだったけど、沢山の思い出を築いてきたんだなぁ・・・と改めて感傷的になる。
たとえ、嫌な思い出があったとしても、記憶に残るいい思い出があるから、人=文化 を育て創り上げていくところ。この15年の月日が僕の一部を司っているに違いない。