ノスタルジア ?
実家に帰ってきて、9ヶ月が過ぎようとしている。
あっという間の、期間だった。当分は横浜にいるが。
先日、ふと昔遊んだ、場所を探索してきた。
今から22年前、近所の友達と夏になるとカブトムシが良く取れる場所の山があった。
けれど、ここ近年の宅地開発でその姿は変貌している。
雑木林で、かつ、木材置き場だったところは、広々と見渡しのいい場所になっている。
その先に行くと、カブトムシが取れるクヌギの木がある。
少しずつ、少年時代の記憶が蘇ってきた。
・・・この木は記憶がある、、、ここの木にはカナブンがいたなぁ・・・って。
朝にもカブトムシがいるし、昼にも、そして夕方にはもっと沢山のカブトムシがいた。
クワガタも。ミヤマクワガタは1匹だけ見つけた記憶がある。
根元には、小さいカブトムシのオスの分裂した死骸があった。
今夏のカブトムシだろう。まだ、いるのかもしれないが、かなり、老木になっている。
いたるところに、木に虫食いの様な穴があり、葉っぱも枯れて落ちたのか、またはもう、葉っぱはつけないのか解らないが、元気がなかった。
僕もその分、歳をとった。この山を登るだけで「ゼイゼイ」いうくらい、機能が低下してる。タバコの吸いすぎか・・・。(自粛)
このカブトムシのいる木のところで、ふと思いついたのが、石井竜也監督の「河童」の挿入歌である「nostalgia」を思い出した。
映画の内容とマッチしている部分がある。
大人になるにつれて、木の存在も忘れ、カブトムシの存在すら忘れていた。よくカブトムシを取りにいった友達とも今はもう遊んでいない。
大人になりふと訪ねた所、木は年老いていて、僕に語りかける元気もなくなっていた。
だけど、木は僕のことを覚えていてくれた。なぜなら、22年という歳月があるにもかかわらず、すぐその木を見つけることができたからだ。
人生の1ページ、記憶の1ページになってしまったけど、僕は木と出合ったことは忘れないし、木も僕のことを忘れないでいてほしい。
大人になるにつれて、失うものが多いような気がする。それは、僕自身が過去を振り返る性分なのだからかもしれない。
何度も同じ過ちを繰り返すけど、思い出よりも、「今」をしっかりと生きたい。
最後にこの場所もいつかは、「公園」になってしまうような気がしてならない。
だから、こうして僕は記録に残す。